特集・連載
HOTな話の水先案内人・岩井祐二のひとり【情熱西陸】vol.5
「“次は何を?”と注目したくなる街のアニキ的存在」
『カジカジ』元編集長・岩井祐二の情熱西陸 関西の伝説的雑誌『カジカジ』の元編集長が、ウエストサイドのHOTなネタを“一人で写真を撮って原稿を書いて伝える”情熱連載! この記事は特集・連載「『カジカジ』元編集長・岩井祐二の情熱西陸」#05です。
大阪のキーマン【牧田耕平】
いつかこの連載で紹介したいなと思いながら、今でも目の前に立つと背筋が伸びるため、気合を入れて訪れた今回の取材。相手は、街の大先輩である牧田耕平さん。
自身が主宰する「ザ ユニオン」をはじめ、さまざまなシーンで鍵を握る大阪のアニキで、僕にとってはメンターの一人でもあります(ご本人にお伝えしたことはないですが……)。
なぜか間が空いて久々にお会いした今回、会ってすぐにひと通り、街や業界の状況・展望を話したのですが、やはりそこには淀みのないピュアな想いが込められていて、いつも通り刺激を受けまくる結果に。
耕平さんを見ているといつも思わされるのが、“動くこと”と“動じないこと”、“託すこと”の大切さ。今や一大ムーブメントとなった銭湯やサウナも僕が知る限り業界では誰よりも早く楽しんでいたし、アウトドアやゴルフも随分前に手をつけていたり。とにかく早いし、まず自らが熱くなっている姿が何よりも楽しそうで。
かと思えば、自身が作る洋服は今も昔もデニムが主役。トレンドとは関係なく、ブレない芯のあるプロダクトを作り続けてコアなファンを鷲づかみに。
耕平さんといえば、なスタイルのアイコンである“デニム”。自身がデザイナーを務めていた「モーティブ」の一本は20年選手で(写真左)、大阪を拠点にして作った「ザファブリック」のデニムも見事な経年変化を描く。“デニムは自己表現のひとつ”と語る通り、デニムに対する想いは熱い。
そして、いつも二言目には“若手”のことを気にしていて、街やカルチャーを作るのは若い人たちだという想いから、さまざまなシーンで若手にチャンスを与えて活躍の場を用意していたり。
憧れる大人は数多くないけれど、僕にとってはいつも大切なポイントで会う人であり、いつでも“次は何を?”と動きを追っている人。
次回は、耕平さんが手掛ける「ザ ユニオン」と「ザ ブルーエストオーバーオールズ」のことを紹介したいと思います。
1975年生まれ。大阪府出身。2000年代初頭に人気を博した「モーティブ」を手掛け、その後大阪に戻りさまざまなブランドやプロジェクトを展開する「ザ ユニオン」を主宰。ファッション以外にも多方面で新しいカルチャーを発信し続ける大阪のキーマン。
instagram : @the_union_official / @blueclass
IMA:ZINE
岩井祐二さん
雑誌「カジカジ」の元編集長で、西側のコアなカルチャーを熟知した関才人。現在は、大阪を代表するセレクトショップ「イマジン」のボスだ。もちろん好きなプロ野球球団は、阪神タイガース。
[ビギン2022年7月号の記事を再構成]写真と文/いわい イラスト/TOMOYA