Dome(ドーム)
売られていたのは商品でなく、「哲学」だった
ザ・ノース・フェイスの熱心なファンならば、思想家であり建築家だったバックミンスター・フラー博士の名に聞き覚えがあるでしょう。博士が提唱したテンセグリティ理論とジオデシック構造は、外圧にすこぶる強い構造体をこしらえるための方法論。
博士を訪ねたザ・ノース・フェイスの手により、この2つを掛け合わせて作られた世界初のドーム型テント「オーバルインテンション」は、実際に1976年のパタゴニア遠征で時速200kmとも伝わる猛吹雪にも耐え抜いたほど。「哲学」を具現化する姿勢はアウトドアメーカー各社に多大な影響を与えたのです。
時速200kmの暴風雪に耐えた「オーバルインテンション」
居住性も防風性もUPした最強テント
ファミリーキャンプ仕様も
THE NORTH FACE[ザ・ノース・フェイス]
2メータードーム(上)
ジオドーム4(下)
博士の理論を具現化したドーム型テントは今も現役。居住空間の広い2メータードームは観測隊のベースキャンプとして重宝され、数年前には一般キャンプ用モデルもお目見え。上/88万円、下/19万8000円(ゴールドウインカスタマーサービスセンター)
かのスカイツリーも同じ理論で作られた!!
力学的な詳細は省くけど(苦笑)、スカイツリーや札幌ドームの骨組みも同じテンセグリティ理論によるもの。とにかく風に強し!
※表示価格は税込み
[ビギン2022年6月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。