リーグワンは残り5節!横浜E、トヨタV、BL東京…日本ラグビー界の4強争いに食い込むのは!?
国内の12のトップチームがその頂点を争うジャパンラグビー リーグワンのディビジョン1は、3月27日(日)をもって全16節中11節が終了し、一つの節目となるシーズン2度目のバイウィーク(休みの週)を迎えた。
開幕から新型コロナウイルスの影響による一部試合の中止、それに伴う不戦勝、不戦敗が相次いできたが、第11節は全6試合が無事開催された。どのチームも感染対策に腐心しながら同時に強化も進めるという難しいシーズンを続けている中、ここにきて見応えのある試合が増えている。各選手、コーチ、スタッフ、関係者の不断の努力の賜物だろう。

第11節で特に目を引いたのは、IAI日本平スタジアム(静岡)で静岡ブルーレヴズ(以下、静岡BR)と埼玉ワイルドナイツ(以下、埼玉WK)の一戦だ。開幕当初はいずれも陽性者または濃厚接触者が多数確認されたことから、静岡BRは第4節まで、埼玉WKは第3節まで開幕を迎えられず、不戦敗(勝ち点0で得失点差マイナス21点の扱い)によるマイナスからのスタートとなった。今回はそんな苦難を乗り越えたチーム同士の対戦となった。
第10節も陽性者が確認され不戦敗となり12チーム中9位と苦しむ静岡BRだが、第3節以降全勝で3位につける昨季トップリーグ王者の埼玉WKとの対戦は順位の差を感じさせない内容で、後半39分まで25-19と静岡BRがリード。40分に埼玉WKのトライとゴール成功で25-26と逆転されると同時にノーサイドとなったが、厳しい状況下で着実に前進してきた静岡BRの成長、前王者らしい埼玉WKの勝負強さが光った好ゲームだった。

その埼玉WKは、第11節を終えた時点で9勝2敗、勝ち点40として3位。第3節以降は全勝を守る横綱相撲を見せている。2位は同じく9勝2敗、勝ち点44と快進撃を続けるクボタスピアーズ船橋・東京ベイ(以下、S東京ベイ)で、1位は10勝1敗、勝ち点46の東京サンゴリアス(以下、東京SG)だ。第16節終了時点での上位4チームがプレーオフに進出しトーナメントで優勝を争うことになり、まだ5試合を残していることから確定はしていないが、この3チームは最終的に4強に残る可能性が高いと言えそうだ。
最後に4強に食い込む1チームがどこになるかが残り5節の大きな見どころとなるだろう。4位の横浜キヤノンイーグルス(以下、横浜E)と5位のトヨタヴェルブリッツ(以下、トヨタV)は勝ち点32で並んでおり、得失点差では横浜Eが上回ってはいるもののトヨタVが逆転で4強に食い込むことも考えられる。また、コベルコ神戸スティーラーズ(以下、神戸S)に快勝した6位の東芝ブレイブルーパス東京(以下、BL東京)も勝ち点29としており、横浜E、トヨタVとの勝ち点差はわずかに3。逆転の可能性を十分残している。
第12節以降の対戦カードは、まず4位の横浜EがS東京ベイ、シャイニングアークス東京ベイ浦安、埼玉WK、神戸S、グリーンロケッツ東葛。5位のトヨタVはBL東京、NTTドコモレッドハリケーンズ大阪(以下、RH大阪)、静岡BR、ブラックラムズ東京(以下、BR東京)、東京SG。そして6位のBL東京はトヨタV、BR東京、RH大阪、東京SG、静岡BRとなっている。どのチームも上位3チームとの対戦を残しており、ここで勝ち点を獲得できるか否かが大きな分かれ目となりそうだ。また、トヨタVとBL東京は第12節に直接対決を控えており、負けた方が4強争いから一歩後退する大一番となる。
リーグワンの初代王者を目指す各チームの奮闘から、今後も目が離せない。
齋藤龍太郎
《ワールドワイドにラグビーを取材中》
編集者として『ラグビー魂』をはじめとするムックや書籍を企画。2015年にフリーの編集者兼ライターとなり、トップリーグをはじめ日本代表の国内外のテストマッチ、ラグビーワールドカップを現地取材。フォトグラファーとしても活動。著書に『オールブラックス・プライド』(東邦出版)。
文・撮影/齋藤龍太郎(楕円銀河)