特集・連載
電気とガソリンのいいとこ取り「ジャパニーズPHEV」が最強!!
ハイテク自動車からテスラまで! e-乗りもの大全 これからしばらく“密”はダメです。これからずっと地球温暖化は困ります。どうなっちゃうの~?僕らの未来……。そんな時代をスィ~~~と乗り切るひとつの最適解がe-乗りもの。すなわち、電気の力で走るモビリティです。事実、ここ数年、とくにコロナ禍以降、日本でも電動アシスト自転車や電気自動車の市場が急成長というニュースはよく耳にしますよね? 各メーカーから驚きのテクノロジーを搭載したマシンが続々登場し、一部のモデルは「欲しい!」と思ってもすぐに買えないほどの人気っぷりです。だからこそ今欲しい、e-乗りものを全方位的にご紹介します。 この記事は特集・連載「ハイテク自動車からテスラまで! e-乗りもの大全」#19です。
EVの時代はわかるけど時期尚早じゃない? そんな慎重派には……
電気⇔ガソリン“e-とこ取り”のジャパニーズPHEV最強説
確かにこれからのクルマは電気自動車(EV)が主流になるんだろうけど、航続距離とか充電インフラとか不安も多かったり……。そこで選択肢に入ってくるのが、エンジンは搭載したままで外部充電が可能なPHEV(プラグインハイブリッドカー)。電気とガソリンのいいとこ取りをしたこのジャンルでは、我らが日本車が世界のトップを走っているんです!

PHEVとはプラグインハイブリッドカーのこと。外部充電で蓄えた電気の力だけで走ることができ、バッテリー容量が減ってきたらエンジン走行もできるという、いいとこ取りのクルマだ。
エンジンをメイン、モーターを補助として使うこともできるので、トータルでの航続可能距離はEVよりも長い。バッテリー容量は小さいので電気の力だけで走れる距離はEVより短いが、その分車両価格がEVより割安なのも魅力だ。
今、最も現実的な電気自動車のカタチと言えるだろう。ちなみにトヨタはこのジャンルをPHVと呼ぶ。
つまりはPHEVのほうが……
①充電待ちのストレスがない
②航続距離が長い
③比較的お安い
……というわけ!
自動車評論家 石井昌道さんが提唱
ハイブリッド技術は日本車のお家芸なのだ
自動車評論家
石井昌道さん
レース経験も活かしたクルマ分析に定評あり。省エネルギーセンターのエコドライブ・インストラクターも務める、EVの専門家だ。
―まずPHEVって何がいいの?
「今、日本には約7700か所の充電所があると言われていて、『50kmを走っても充電所がない』なんて場所はないとさえ言われています。それでも電気の力だけで走るEVに不安を覚える人はいるでしょう。EVのメリットを享受しつつ、安心して使えるという意味ではPHEVはとても現実的。使用条件によって異なりますが、とても賢い選択肢であることは間違いないですね」
―日本車が優秀というのは本当?
「本当です。元々日本メーカーはハイブリッド車を造ってきた歴史がありますから、バッテリー技術にも定評があるんです。世界と比べてもかなり進んでいますね」
―具体的には何が優秀なの?
「ハードウェアとして優れているうえに、設計も日本人に合うんですよ。日本は自然災害が多いため、防災意識が強いですし、環境性能に対する考え方も進んでいます。だから日本のPHEVは大きな発電機として使えるという強力な武器もあります。他国のPHEVは外部出力ができないモデルもたくさんありますから」
―PHEVは“買い”ですか?
「新しい技術がどんどん開発され、性能が上がるのと反比例するように価格は下がっていくはずです。コスパや安心感を考えれば今も最強と言えますが、今後はもっと魅力的になる可能性が高い。要注目のジャンルです」
自動車評論家 石井昌道さんが選ぶ
補助金を使えば200万円台~「手が届く」PHEV最強の一台
外国車のPHEVもたくさんありますが……コスパで考えると俄然日本車!
街ナカ使い最強【トヨタ プリウス】
世界トップ水準の技術が補助金を使えば200万円台~
街乗りメインで普段の足としてPHEVの性能を楽しみたいなら、日本が世界に誇る大ヒットモデルであるプリウスが最強だろう。
PHVは最安338万3000円から購入できるという気軽さに加え、バッテリー性能やモーター性能も世界トップ水準。EVのみでの走行は60kmまで可能で、エンジンと併用した際の燃費性能は30.3km/リットルという驚異的な数字を誇っている。
外部電源として使用することもでき、100Vの外部給電用コンセントが用意されており、最大で1500Wまで対応する。(トヨタ自動車株式会社 お客様相談センター)
キャンプ使い最強【三菱 アウトランダー】
コーヒーメーカーや炊飯器も使える頼もしすぎる4WD
キャンプなどのアウトドアを楽しむ相棒としてPHEVを探すならアウトランダーがベストだ。昨年、大好評だった前モデルから新型へ移行したばかりで、伝統の高性能4WDを採用しているから海も山も問題なし。
EVと同じくモーター駆動ゆえ走りは頼もしく、バッテリーの電力だけで約80km走行可能。蓄えた電気を最高出力1500Wで出力できるので、コーヒーメーカーや炊飯器、電子レンジなども使用可能。アウトドアのベストパートナーだ。5人乗りのスタンダードタイプで462万1100円~。(三菱自動車 お客様相談センター)
長距離最強【トヨタ RAV4】
世界で大ヒット中の人気車種に待望のPHVグレードが誕生
高速道路を使っての長距離ドライブが多い人なら、一定以上の車内スペースも大事になる。その場合は十分な広さが確保された人気のSUV、RAV4のPHVモデルがベストだろう。
EVのみで95km、ガソリンを使用したハイブリッドで1221kmと驚異の航続距離を誇る。ガソリンを消費しないで快適、安全に長距離ドライブが楽しめる。
200万円台の通常モデルと比較するとエントリーモデルが469万円~のPHVは高く感じるかもしれないが、中身を見れば実にお買い得なことがわかる。(トヨタ自動車株式会社 お客様相談センター)
2022年、日産&マツダからもPHEVが登場予定!
EVの先駆者、日産が誇るあの人気SUVがPHEVに!
nissan[日産]
エクストレイル
早くからリーフを発売し、EVの先駆者として知られる日産。その新作として気になる存在が、次期型エクストレイルに採用されるというPHEVモデルだ。システムは兄弟車であるアウトランダーの技術を使い、2022年中に発売されると予想されている。
EVが好調なマツダのコンパクトSUVもPHEVに!
mazda[マツダ]
MX-30
すでに写真のEVモデルの販売が開始されているマツダのコンパクトSUV、MX-30にもPHEVが追加で設定されると言われている。公式アナウンスで2022年の秋に発売とされているが、他のモデルが好調なマツダだけに詳細な発表が待たれるところだ。
※表示価格は税込み
[ビギン2022年4月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。