特集・連載
HOTな話の水先案内人・岩井祐二のひとり【情熱西陸】vol.1
「ストーリーが面白い郷土玩具。全国でも珍しい福岡の専門店」
『カジカジ』元編集長・岩井祐二の情熱西陸 関西の伝説的雑誌『カジカジ』の元編集長が、ウエストサイドのHOTなネタを“一人で写真を撮って原稿を書いて伝える”情熱連載! この記事は特集・連載「『カジカジ』元編集長・岩井祐二の情熱西陸」#01です。
福岡県・福岡市【山響屋】
大好きな福岡に出張した際に、必ず寄るお店の一つがこちらの『山響屋(やまびこや)』さん。福岡の繁華街、天神から少し離れた今泉というエリアの、決して広いとはいえない、とあるアパートの一室で営まれているお店には、全国から集められた郷土玩具や民藝品がおよそ2000点並びます。
店主の瀬川信太郎さんは長崎県の出身。趣味で集め始めた郷土玩具の世界にどっぷりとハマり、それが高じて年前にお店をオープン。郷土玩具が多いとされる九州中のものはもちろん、今では全国各地からお気に入りを集めて、全国でも珍しい専門店を作り上げました。
こういったお店の店主といえば、お年を召した方を想像しますが、瀬川さんはまだ30代。作家の方々とコミュニケーションをとりながら、伝統や歴史はしっかりと勉強しリスペクトしながらも、郷土玩具というフィールドで活躍する若手作家も積極的に取り上げるスタイルで、他にはないラインナップを実現しているのです。
このお店をきっかけに、郷土玩具の世界にハマる人も続出していて、全国にそのファンが広がり続けています。郷土玩具は見た目の愛らしさはもちろん、それが生まれたストーリーがとても興味深いものばかりで、日本の歴史や風習、文化を知る好機にもなります。
大人になればなるほど、その深く面白い世界にハマることは必至で、ご多分にもれず僕もその一人。今では全国に出張や旅行で訪れるたび、ついついその土地の郷土玩具を調べて買いに走るなど、もうどっぷりなのです。
中央でただならぬ存在感を放つのは、福岡県福津市で作られる「津屋崎人形」のごん太(大) 5500円。昔ながらの製法で作られる、女性作家らしいポップでかわいいだるまヤチコダルマ(左から二つめ)等、新しい作家も多く取り扱う。
住所.福岡県福岡市中央区今泉2-1-55 やまさコーポ101
☎ 092-753-9402
営業時間.11:00~20:00
定休日.木曜
instagram https://www.instagram.com/yamabikoya/
IMA:ZINE
岩井祐二さん
雑誌「カジカジ」の元編集長で、西側のコアなカルチャーを熟知した関才人。現在は、大阪を代表するセレクトショップ「イマジン」のボスだ。もちろん根っからの阪神ファン。
※表示価格は税込み
[ビギン2022年3月号の記事を再構成]写真と文/いわい イラスト/TOMOYA