特集・連載
クライミングパンツのラクさにクラシックな趣をMIXした「ヤマトラ」
TRADトラウザーズ虎の巻 イージー仕様やBIGシルエットの台頭で、“ユルい着こなしこそGOOD”とされる昨今。でもそろそろ秋に向けて、締めるとこは締めません?ってのが本企画のメッセージです。パンツ、もとい“TRADトラウザーズ”に穿き替えるだけで、カジュアルアップが完結。お洒落巧者への近道として、暗記すべきキーワードは……TRY!トラ!トラ!トラ! この記事は特集・連載「TRADトラウザーズ虎の巻」#04です。
CLIMBING TROUSERS
トラッ度を高めた“らしくない”グラミチ
正直街でも穿ける山パンなんて、今さら珍しくも何ともありません。が、その大多数は、山由来の機能がもたらす“ラク”をウリにしたものばかり。
そんななかにあっても、山パン界の旗手たるグラミチは、やっぱり懐の深さが段違い。しっかり“トラッ度”にも秀でた佳作を世に送り出してきたんです。
タックテーパードパンツのデビューは2018年。すでにビギンでも、その誕生時からグラミチの新定番として推してきましたが、“折り目正しく装う”がテーマの本特集において、改めてこれ以上に穿きたい山パンは、そうないかと。
ユルくて美しい1タック入りのワイドテーパードシルエットや、もはやトラッドの意匠として浸透しているダブル仕上げの9分丈、スラックス然とした外観を加速させるウール混生地などなど……。
パッと見じゃ山要素なんて一切なくて、上のようなニットにもビタハマりしちゃう、異色のグラミチ。その実、ガゼットクロッチもウェビングベルトも備えてて、持ち前の快適な穿き心地はきっちり死守してる。これってトラッドもラクも犠牲にしたくない現代人には、最高峰の友じゃありません?
[其ノ一]キレイに穿けるテーパードシルエット
[其ノ二]クリースまたはタック入りで“キチンと見え”すること
→英国圏で使われる言葉で、要は“カチッとした長ズボン”のこと
GRAMICCI[グラミチ]
ウールブレンド タックテーパードパンツ
もはやどっからどう見てもトラッドなトラウザーズにしか見えない、グラミチの新定番山パン。穿き心地もストレスフリーだし、単純に保温性にも優れてて、肌寒い時季の暖パンとしてもすこぶる優秀。1万1800円(インス)
[Variation]右から Black/Grey/Navy Check
其ノ一:ワイドテーパード
其ノ二:1タック
ガゼットクロッチでラクを、ダブル裾でトラッドをプラス
クラシカルな雰囲気が漂う落ち着いたグレンチェック
起毛感のあるウール混生地はただでさえ品格ムンムン。さらに、グレーベースのグレンチェックでトラッ度もググッとアップさせた。


ラファーボラのコート10万7800円(ラファーボラ) スローンのカーディガン3万4100円、同ニット3万1900円(スローン) パンセレラのソックス3300円(真下商事) パラブーツの靴7万1500円(パラブーツ青山店)
トラッ度をUPさせる
TTP(タックテーパードパンツ)のシルエットをおさらい
永世定番のグラミチパンツが“快適”に、NNパンツが“美”にバロメーターを振ったとしたら、TTPは“トラッ度”に全振り! それに帰依している、緻密に設計されたシルエットを、定番2本との比較を交えてチェックしておこう。
[タックテーパードパンツ]股下70/ヒップ幅56/ワタリ38/裾幅20
[グラミチパンツ]股下82/ヒップ幅53.5/ワタリ34.8/裾幅20
[NNパンツ]股下82/ヒップ幅51.5/ワタリ32.5/裾幅19
※表示価格は税込み
[ビギン2021年11月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。