特集・連載
流行に右左されないパンツのシルエット「骨太ストレート」の三本柱はコレ!
正しい服・モノの選びかた[新ルール][基本ルール] 「正しく服を選べる人になりたい」心の声つぶやいちゃった、みたいで失礼。ただ、このぼやき、あながち嘘にあらず。昨今モノ多すぎ&情報も押し寄せてくる……で、昔以上に正しく服を選ぶのが難しいと痛感したワケです。そこで今回、各ジャンルにて「ここに気をつける」を総点検。基本&新ルールで、わかりやすく解説していきます この記事は特集・連載「正しい服・モノの選びかた[新ルール][基本ルール]」#11です。
トレンドに左右されないのは骨太ストレートと心得る
パンツはトレンドの写し鏡。下のパンツトレンドチャート図の通り、ほんの10年の間にも、流行のシルエットはかなりの速度で移り変わってきました。
【パンツトレンドCHART】
もちろんビギンだって、各時代でいちばん波に乗ってるシルエットを推し続けてきました……が、フト思ったんです。“正しい”というフィルターに通したとき、パンツに求められるのは、むしろ流行に左右されない普遍力なんじゃないかって。そしてそこでベストアンサーとなるのは、“骨太ストレート”しかないんじゃないかって。
太すぎず細すぎずのストレートシルエットは、トレンドに右往左往することなく、いつの時代も通用する。そこに語れる背景、言い換えれば骨太な要素まで加わっていれば、もはや敵なし!
たしかに流行のど真ん中じゃないので、各時代のエースパンツにはなりにくいかもしれません。が、どの時代でも必ず先発ローテの一角には食い込んでくれる。ここではそんな頼もしすぎる、骨太ストレートの三本柱を紹介いたします!
1.シルエットは史上最も無骨! ヴィンテージデニムの完成形
LEVI’S® VINTAGE CLOTHING[リーバイス ビンテージ クロージング]
1955モデル 501XX
150年近いジーンズ史のなかで、通から“これぞ完成形!”と評されるのが、1955年製の501です。こちらはその復刻版で、ほんのり太めのストレートシルエットは、いつの世のトレンドも貫通。
無骨な佇まいなのに幅広いスタイルと馴染む、という魔法の万能性を有しているほか、紙パッチを初採用するなど、これ以降のジーンズのスタンダードとなるような意匠を備えているのも、無二の魅力です。3万800円(リーバイ・ストラウス ジャパン)
靴 パラブーツ7万1500円(パラブーツ青山店)
革から紙パッチに変わったのは’55年モデルから!
2.数多のデザイナーをトリコにした軍パン界の模範選手
orSlow[オアスロウ]
5002 US ARMY FATIGUE
数ある軍パンのなかで、元ネタにされる頻度が最も高い名作のひとつが、’60年代から’70年代初期まで米軍が採用していたベイカーパンツです。今作もまさにその黄金期のものがベース。
普遍的なストレートシルエットといい、デニムばりに経年変化する綿100%のバックサテン地といい、長~く愛せる意匠のオンパレード。要所を現代的にアレンジしているものの、玄人ウケする骨太力は健在です。1万7600円(ベースデニムプロダクツ)
靴 パラブーツ7万1500円(パラブーツ青山店)
当時使われていたバックサテンは育てる楽しみも♡
3.今日のチノパンの原型となった通称“大戦モデル”
BUZZ RICKSON’S[バズリクソンズ]
EARLY MILITARY CHINOS 1942 MODEL
今日のチノの原型として知られる米軍の大戦モデル、いわゆる“41カーキ”とほぼ同仕様の’42年モデルを復刻したチノ。どストレートなシルエットにメタルボタン、両玉縁ポケット、サイドの巻き縫いなどなど……。’41~’42年の初期にだけ見られるマニア垂涎の意匠が、贅沢にも全部入り!
パッと見フツーで穿き回しやすい。でもわかる人が見れば骨太を感じてくれる。まさにチノの理想形でしょう。1万5180円(東洋エンタープライズ)
靴 パラブーツ7万1500円(パラブーツ青山店)
マニアも歓喜! 初期のレア仕様を贅沢3点盛り♪



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[ビギン2021年9月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。