特集・連載
絶滅危惧の超絶技巧「天地引き」Tシャツ
ブランド大研究2021 恒例「ブランド大研究」今年も開催! いつの時代でも揺るがない“ブランドの力オーラ=絶大な安心感”を持つ名作を、「なぜ便利?」「なにがすごい?」「比べてみて……」etc.とあらゆる角度で検証、“使える!!”をわかりやすく解説します。知られざる隠れ傑作から希少なレアモノまで、もれなく紹介。情報過多に惑わされずココから選んで、“買ってよかった~♡”を実感ください! この記事は特集・連載「ブランド大研究2021」#30です。
熟練した技術必須の“天地引き”
古着店を覗いて、昔のTシャツの裾や袖口部に違和感を持った経験がある人は多いはず。並行する2本ステッチが入る現行品に対し、古いTシャツは1本の点線状の縫い目になっていますよね?
天地引き:クラシックムードと耐久性を両立する裾&袖のステッチ
じつはこれ、「天地引き」という昔ながらの処理の仕方で、素朴な見た目とは裏腹に縫い目方向の強度は現行の「2本針平縫い」よりも強いんです。なぜ廃れたかというと、ほぼ機械任せにできる2本針平縫いに対して天地引きは熟練した技術がないとうまくできないから。
しかし久米繊維では約70年前から今日まで、ずっとこの難易度の高い手法を続けているんです! 丁寧な作りと高い技術を、味のあるディテールでさりげなくアピール。この無地T、下手なプリントTよりも映えそうです♪
久米繊維[くめせんい]
ビッグシリーズ半袖Tシャツ
着丈に対して身幅が広めという、日本人の体型にドンピシャでハマる計算されたビッグシルエット。たいていの人が大きく着られるワンサイズ展開も潔くてイイ。洗い込んでもへたりにくいのも◎。4730円(久米繊維工業)


日本製Tシャツの草分け的存在
since:1935
country:日本
日本ではまだ一般的ではなかった時代からTシャツを作り続けてきた、国産Tシャツの草分け的存在。ルーツはメリヤス製造の町工場で、肌着由来の心地よさが持ち味。
国産Tの先駆けの仕様を色濃く残すセイヤングTシャツ
発売当初のハイカラなパッケージ
※表示価格は税込み
[ビギン2021年5月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。