知らないと恥をかく? “大人の文化系スポット”豆知識(後編)
気にはなるけど、ちょっと敷居が高いかも? だけど、そろそろ行ってみたいんです! そんな大人の文化系スポットってありますよね。ってことで、大事なとき、大事な場所で失敗しないための流儀がこちらです。転ばぬ先の豆知識、ぜひ覚えてってください。
大人の文化系スポット4 |オペラ[おぺら]
ルネサンス末期イタリアで成立したといわれる、セリフがほぼ歌で表現される歌劇。オーケストラを含めた海外からの引っ越し公演はチケット代も高額。ドレスアップする観客も多く、その華やかさを楽しむことができるかがキモ。
『ブラヴォーには2種類ある』
劇中、ソロパートを歌い終えた瞬間に観客は歌手に拍手を送る。歌ったのが男性なら「ブラーヴォ」、女性なら「ブラーヴァ」と声をかける人も。ちなみに発音は上記の通り「ラ」のあとを伸ばす。歌舞伎と異なり誰でも発していいので、感動を演者に伝えてみよう。幕が下りるタイミングなら多数の声が挙がるので、トライしてみては。
★これも覚える!★
座席では
前のめりにならない
もっとよく観たい!と、つい前のめりに。これは周囲の人の視界を遮り、迷惑になるので厳禁。オペラをはじめ、すべての舞台鑑賞で気をつけたいマナーだ。
大人の文化系スポット5 |落語[らくご]
ホールなどでも観ることができるが、真骨頂は「寄よ 席せ 」にある。落語や漫談、手品などの演目が朝から晩まで続き、お客は好きなときに入場し好きなときに出る。老舗は新宿の「末廣亭」。大人ならではのユルい空気に身を浸そう!
『おすすめは深夜寄席 』
寄席の雰囲気を気軽に味わえるのが、末廣亭の「深夜寄席」。通常は昼の部(12~16時30分)と夜の部(17~21時)の2部制だが、毎週土曜日のみ、21時30分~23時に4名の若手噺家が登場する深夜の部が追加される。料金も1000円と手頃だ。末廣亭は建物自体に江戸時代の風情が残る老舗。ここで感じをつかんだら、平日昼の濃い寄席にトライ。
★これも覚える!★
席の出入りは
演目の間
末廣亭は基本的にすべて自由席。ホールへの出入りもいつでもOK。ただし客席はずっと明るいため、演者に丸見え。席を立つのは演目の間にするのがマナー。
大人の文化系スポット6 |骨董店[こっとうてん]
もはや作られていないモノ、時代を経て唯一無二の味が出たモノが集められている骨董店。美術館と違って間近に見ることができるが、それだけに緊張感も高い。一筋縄ではいかない店主とのコミュニケーションも必須事項。
『デイパとアクセはNG』
とにかく壊れものが多い骨董店。何をするにもまず店主に断ってから、が原則。これがコミュニケーションにつながる。肩に掛けている荷物は下ろして手に持ち、大きい場合は店主に尋ねて邪魔にならない場所に置く。気になるモノを手に取る際も必ず許可をもらってから。傷をつけないよう、リングなどのアクセを外すと満点。
★これも覚える!★
絵などを間近で見る場合は
口元にハンカチ
絵や古書など紙モノを間近に見せてもらう場合は、ツバが飛ばないよう口元にハンカチをあてて小声で話す。イメージは某鑑定団のアノ人。
大人の文化系スポット7 |料 亭[りょうてい]
大人度の高さではピカイチ。映画やテレビドラマのとおり、数寄屋造りの日本家屋の床の間を備えた個室で、趣向を凝らした器と料理が提供され、芸妓が登場することもある。紹介がないと予約できない敷居がスーパー高い店も。
『お尻を向けて上がらない』
玄関に到着すると、女将か中居さんが迎えてくれる。靴を脱いで上がるときは、お尻を向けずに、前を向いたまま上がり框(かまち)へ。靴を脱ぎっぱなしにするのは気が引けると感じる場合は、ちょっと振り返って靴を直す姿勢をとろう。たいていは下足番か中居さんが「どうぞそのままで」と声をかけてくれる。誰もいなければ、そのまま直せばいい。
★これも覚える!★
座布団にはすぐに座らない
招待された場合、まずは畳の上に座り挨拶を。その後、相手にすすめられてから座る。座布団が置かれた場所はそこに座れの合図なので、動かすのはNG。
※前編はこちらから
【ビギン2017年8月号の記事を再構成】
文/安藤奈穂子 イラスト/TOMOYA