特集・連載
日本が世界に誇る鞄メーカーは、いかに生まれ、いかに成長したのか?-「吉田カバン」の教科書
定番の教科書 ネイビージャケットやB.D.シャツ、チノパンといったお馴染みの服はもちろん、スニーカーやデイパに代表される靴、鞄、さらにはスポーツカーや食べ物まで、どのカテゴリにも、いつの時代も変わらない「定番モノ」が存在します。いまもなお、定番が定番たる所以とは? 歴史、ウンチク、名作から今買える新傑作まで、世の定番モノをじっくりわかりやすく解説します。 この記事は特集・連載「定番の教科書」#31です。
HISTORY
ポーターやラゲッジ レーベルなど、誰もが知る不動の人気ブランドを輩出し、その圧倒的なクオリティと機能性、そしてデザイン性によって鞄界を牽引し続ける吉田カバン(「吉」は土に口の吉、以下同)。同社の製品はなぜ国内外を問わず愛されるのか。日本を代表する鞄メーカーとして各国で高い評価を得られる理由と、同社ならではの物作りの真髄に迫ります。 |
創業者・吉田吉蔵氏は1935年、東京・神田須田町に「吉田鞄製作所」を設立。
1951年に株式会社吉田として改組し、東神田へと拠点を移した。写真は東神田の旧社屋。
鞄の原点は“1本の紐”である
吉田カバンの5W1H
Who? 吉田吉蔵
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When? 1935年
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Where? 神田須田町
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What? 鞄
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Why? 修行先からの独立
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How? 手売り販売
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“Heart and soul into every stitch”

吉田カバンでは、創業者・吉田吉蔵氏の物作りに対する精神が、今では社是になっている。それが「一針入魂(いっしんにゅうこん)」。同社の精神は、まさにこの言葉に集約される。それはひと針ひと針を丁寧に縫い合わせていく作業のように、素材選びからデザイン、縫製にいたるすべての工程に手を抜かない、という物作りへの妥協なき姿勢を表現したものである。1951年に株式会社吉田へ改組し、1962年に自社ブランド、ポーターを発表。この当時、日本の鞄メーカーがプライベートブランドを持つことは大変珍しく、同社が古くから強い革新性を備えていたことを物語る事例のひとつといえる。
写真/武蔵俊介 文/黒澤正人 取材協力/吉田カバン
本記事の情報は、2017年6月時点のものです。記載されている商品の価格や問い合わせ先、仕様などの情報は、原則として公開時のものとなるため、現在の仕様や価格、情報とは異なる場合があります。あらかじめご了承ください。