特集・連載
スウェットを語るうえで外せない“リバースウィーブ”の変遷をしっかりオサライ!
買いのスウェット大図鑑 スウェットはジーンズと並ぶ服好きのインフラ。でもその成り立ちや備わってる意匠の役割は意外と知らないんじゃありません? “買い”かどうかを見定める羅針盤として、またウィットに富んだスウェットークに花を咲かせるあんちょことして……。必至にならずとも、たった一晩で賢くなれちゃう♪重大な10ネタをお届けします。 この記事は特集・連載「買いのスウェット大図鑑」#01です。
スウェットを語るうえで絶対外せないチャンピオンの傑作、リバースウィーブ。誰もが知る永世定番の正しい変遷は知らなきゃ損っ!
大発明“リバースウィーブ ®”には1st、2ndがあるって知ってた?
リバースウィーブ=定番スウェット。服好きの脳内にはこの式が無意識に刷り込まれてますが、その成り立ちを正しく理解してる人って、実はそんなに多くないんじゃありません? ってことで、今更聞けない当たり前をここでしっかりオサライしときましょ。
まず誕生は1934年。チャンピオンの営業マン、サム・フリードランド氏(下記参照)が、洗濯時の縮みを解消するため、本来タテ向きに使われていた身生地をヨコ向きに使う“リバースウィーブ製法”を考案し、1938年に特許を取得します。
これで、もう洗っても着丈が縮まることはない♪と思ったのも束の間、今度は身幅が縮んで動きづらくなるという問題が……。そこでサムさんは1952年、身頃の両サイドに“エクスパンションガゼット”というリブパーツを備え、横方向の縮みにも強い、現在お馴染みの仕様にアップデートし、再度特許を取得します。
そう、リバースウィーブは2度特許を取得している……つまり、この傑作には1stモデルと2ndモデルが存在してるんです。ベーシック好きを自負するなら、この盲点変遷は必ず覚えとくべし!
1938年に特許を取得した1stモデル
腕の動きを妨げない珍しいシームレス仕様
CHAMPION[チャンピオン]
リバースウィーブ 1st パテント モデル
エクスパンションガゼットが備わっていない1stモデルを復刻。アームとボディをひと繋ぎにしたパターンも再現。2万円。(ヘインズブランズ ジャパン カスタマーセンター)
身生地を横向きにして縦方向の縮みを軽減
1952年に特許を取得した 2ndモデル
CHAMPION[チャンピオン]
リバースウィーブ 2nd パテント モデル
エクスパンションガゼットを加えた2nd。現行モデルの源流ともいえる、’52年製モデルを忠実復刻した渾身作だ。2万円。(ヘインズブランズ ジャパン カスタマーセンター)
エクスパンションガゼットを加え横方向の縮みの軽減と運動性を向上
リバースウィーブの生みの親はレジェンド営業マンだった
サム・フリードランド氏
開発者のサム・フリードランド氏はニューヨークの高級紳士服店出身。服のパターンに精通し、商品開発にも携わっていた氏が営業マンを務め、顧客から“洗濯すると縮む”という相談を受けたからこそ、この傑作が誕生した。


チャンピオンロードもサクッと知っ得!
同社のタグの変遷も物好きの心をくすぐる要所。ここではヴィンテージ市場でもよく目にする、各年代の代表的なタグを一挙にオサライ!






運動着を“かたくてチクチク”から解放したのが始まりだった
スウェットが誕生したのは1920年代のアメリカ。もともとはファッションアイテムではなく、運動着として開発されたものでした。誕生の契機になったのは、コットン裏毛生地の普及。
それまで主流だったウールジャージー生地の運動着は、かたくて動きにくく、チクチクした肌触りだったのに対し、コットン裏毛生地の運動着は、伸びるし肌触りもフワフワだし、何より吸汗性が抜群! これが“汗”を意味する“スウェット”と呼ばれる理由とされているんです。
※表示価格は税抜き
[ビギン2020年4月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。